2012/04/22

モダンタイムス♡

面白い小説は麻薬みたいなものだと思ってる。読み始めたら最後、引き込まれて、ストーリーが途切れるまで現実世界に帰って来られない。いや、ストーリーが終わった後も、余韻を噛み締めながら、しばらくは小説の世界をたゆたって‥。

その中でも、伊坂幸太郎さんの小説は本当に、中毒性の高い麻薬みたいなもので、久しぶりに読んでみようかな?と【モダンタイムス】を手に取ったが最後、文庫版上巻下巻を一気に読み進めてしまった。

わたしは、完全に【モダンタイムス】に巻き込まれて、現実世界に帰ってこられなくなっていた。
行き帰りの通勤電車。残業の後、(最近ちょこちょこと忙しいの)家へ帰ってからの、ソファーの上で。バスタブへ浸かりながら。ベッドの上でも。
ひたすら読みまくってしまった。恐ろしや。

何となく、漠然と日々思っていたことをテーマにこの小説が書かれた気がしている。
【偶然の一致】とでも言うのかな?あの時、あそこに存在しなければ起きえなかった事柄とか。
【今こうしている間にも、世界各地で色んなことが起きている】事とか。

もっと言葉を選ばずに言えば、たまたま出張で東京にいたから大震災を免れた、というような。
わたしが淡々と、事務処理をこなしている間に、津波が押し寄せていたとか。(テレビ画面を今でも覚えてる。同じ日本には到底信じられない光景だったから。)
それら全て、まるで【神様の意志】?誰かが計算ずくで指揮しているのでは?と思うくらいのことって、ないかな?

【モダンタイムス】ではシステム、とかコロニーとかいうもの。動物のように意思を持っているんじゃないかと思うくらいの大きなうねりの中で、ちっぽけなわたしたちは、小さな目的を果たすために、毎日笑ったり怒ったり泣いたりしながら、生きているんだなぁ、と改めて思った。 お釈迦さまの手の上で転がされてる、そんなイメージ。

 【国家】とは?【社会】とは?【政治家】とは?【わたしたちは何のために生きてるのか?】 そういう、大層でこ難しくて、哲学的なテーマを、伊坂流アレンジで軽快に、ポップな感じで進めていく小説。読み応えがあった。 

あとがきで、伊坂さん自ら【ゴールデンスランバー】と類似点があり、重なり合った部分も多いとおっしやってるとおり、同じものに対してアプローチの仕方を変えて書かれているなーって、すごく感じたよ* もう一回、【ゴールデンスランバー】も読みたいな!


モダンタイムス(上)/伊坂幸太郎
モダンタイムス(下)/伊坂幸太郎
ゴールデンスランバー/伊坂幸太郎

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